
~安全性分析 (Safety analysis) とは~
安全性を分析するわけ
会社が倒産する時、それは、支払うべきお金を払えなくなった時です。たとえ大きな利益をあげていても、支払いにまわす資金がなくなってしまえば会社は倒産してしまいます。逆に、たとえ赤字経営でも、十分な資金さえあれば倒産することはありません。
通常、倒産しそうな会社に投資をする人はあまりいません(空売りの場合などは別です)。また、倒産しそうな会社相手だと、取引するのにもためらわれるでしょう。ということは、会社が倒産する危険性を前もって知っておくこと、言い換えれば、その会社が十分な資金を持っているかどうか見極めることが、大事になってきます。
仮に、全ての取引が現金で行われている場合、資金があるかどうかは手持ちのお金を数えればすぐにわかります。仕入を行えば代金として現金がなくなり、売上があがれば現金が入ってきます。したがって、てもとに現金がないということは資金がないのと同じことです。
しかし、現代の取引では信用取引が主流です。取引先に対しては掛けで売り、仕入先に対しては掛けで購入します。そのため、売上と入金、仕入と支払いのタイミングにズレが生じてしまい、手持ちのお金を数えても資金が足りているかどうか分かりません。
たとえば、月末に借金を返済しなければならないとします。この時、たとえぎりぎりの金額でも返済期限の前に入金があれば、借金を返すことができます。一方、たとえ翌月には売掛金の入金予定がたくさんあったとしても、月末の支払期限に十分な資金がなければ、たちまち支払い不能、倒産してしまいます。
よって、支払わなければならない債務に対して十分な資金を確保しているか、つまり、会社が倒産せずに存続し続けることができるかどうかについては、現金を数える以外の方法で確かめなければなりません。その方法の一つが、安全性分析です。
短期的な視点と長期的な視点
債務には、支払期限が長いものと短いものがあります。そこで、短期的な視点と長期的な視点の両方から、支払い能力を分析する必要があります。この分析を行うには、主に貸借対照表を利用します。
貸借対照表の資産と負債の項目には、流動資産と流動負債という区分があります。流動資産とは、簡単に言うとすぐに(多くは1年以内に)現金となる資産のことです。逆に、流動負債とは、短い期間(多くは1年以内)に支払わなければならない借金などを言います。短期的な債務返済能力を見る場合には、これらの項目に注目します。
一方、長期的な債務返済能力を分析する時は、負債全体と資産、あるいは、固定負債と資本に注目します。
*短期的な債務返済能力を表す指標
・Current ratio(流動比率)
・Quick ratio(当座比率)
*長期的な債務返済能力を表す指標
・Debt ratio(負債比率)