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2011年10大会計ニュース

なでしこジャパンのW杯優勝という嬉しいニュースもありましたが、未曾有の自然災害、原発事故、電力不足と、日本は今年、困難と戦い続けた一年でした。一方、世界に目を向ければ、欧州で債務危機が深刻化し、その対岸の北アフリカでは民主化の嵐が吹き荒れました。

そんな文字通り激動の1年だった今年の会計ニュースを、ランキング形式でお伝えします。

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東日本大震災

会計の話題ではありません。しかし、2011年に未曾有の大災害によってほんとうに数多くの方が犠牲になったこと、そして、2011年が終わろうとしている今もなお大変な思いをされている方がいることを、しっかりと心に留めておかなければならないと思います。

ここであらためて亡くなられた方々に哀悼の意を捧げるとともに、被災地の1日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

日本基準とIFRSのコンバージェンス進展せず

米国がIFRS(国際財務報告基準)の強制適用に消極的な姿勢を見せ始めたこと、賛成派と慎重派による国内の議論がまとまらないこと、更には震災の影響もあり、日本基準とIFRSのコンバージェンス作業は停滞しました。

12月に入り、米国証券取引委員会(SEC)の主任会計士が、IFRSの米国基準への組み込みに関する報告書の完成が2012年にずれ込むことを明らかにしました。2012年には、日本が強制適用の是非を決定する年ですが、まずは米国の様子を見てから、ということになりそうです。

オリンパスの不正会計事件

光学機器メーカーのオリンパスが、バブル期に取得した金融商品の評価損を先送りするために、「飛ばし」、資産の水増し、不当に高い価格での企業買収と、10年以上もの間あの手この手で不正会計を繰り返してきた事実が明るみになりました。

複数の取締役や監査役がスキームの実行に関わっていたことも明らかになり、企業統治の視点からも大きな問題となっています。独立取締役の法制化なども取りざたされていますが、こういった職責を理解していないかのような経営者が生まれないようにする対策も必要でしょう。

4位 IFRSと米国会計基準(USGAAP)のコンバージェンス作業、さらに遅れる

2011年6月までに主要な差異を解消するためのコンバージェンス作業は完了する予定でしたが、「金融商品」、「リース」、「収益認識」といった重要な会計基準について議論がまとまらず、昨年(2010年)10月、これらの基準の作業完了時期が2011年後半に延期されました。2011年、上記基準の調整はさらに難航、コンバージェンス作業の完了は2012年にまでずれ込むことになりました。日本が米国に先行してコンバージェンスを進めることは考えにくいので、この遅れが日本での作業に大きく影響するのは間違いありません。

5位 大王製紙の不正会計事件

会社のお金を使ってカジノで豪遊したり、芸能人と派手に遊び歩いたりするなど、元会長の罪が非常に分かりやすいものであったため、オリンパスの事件とは異なって世間ではややワイドショーのネタ的な扱いを受けています。しかし、役員が関与している点や、監査の適正性が問題視されている点は共通しており、会計制度の根幹に関わる重大事件であることに変わりはありません。

6位 組織内会計士(企業内会計士)、定着せず

日本公認会計士協会が、公認会計士、および公認会計士試験合格者の採用について、上場企業にアンケートを行ったところ、前者については約85%の企業が、また、後者については約90%の企業が、採用したことがないと回答したそうです。「企業財務会計士」に関する法案は、春先に廃案になりました。また、11月に金融庁が発表した新しいアクションプランは、特効薬というほどのものではありません。待機合格者問題の解決は、まだまだ先になりそうです。

7位 平成23年度公認会計士試験の合格者数が新試験制度移行後では過去最低の数字に

合格者数が1511人、合格率が6.5%と、06年の新試験制度移行後最低の数字となりました。また、受験者数も9.7%減少して2万3151人と、こちらも06年以来最低の数字になりました。これ以上待機合格者を増やしたくない金融庁の意図と、長引く試験合格者の就職難の影響が表れた格好ですが、難関を突破しても就職は困難という、受験者は二重の苦しみを味わう状況となっています。

8位 EUが4大会計事務所にコンサルタント業務の分離を求める

11月末、EUの行政執行機関である欧州委員会が、域内の会計事務所に対して、監査業務と非監査業務の同時提供を禁じる規制強化案を発表しました。監査業務の独占状態解消と、会計事務所と顧客企業間の利益相反を避けることが目的で、この案が実現すれば、4大会計事務所(デロイト・トウシュ・トーマツ、アーンスト・アンド・ヤング、KPMG、プライスウォーターハウスクーパースジャパン)は、EU域内での監査事業を、税務やコンサルタントなど監査以外の事業から切り離す必要が生じます。大幅な減収と組織改革を迫られる上記4大会計事務所は、猛烈に反発しているそうです。

9位 USCPA試験、米国外受験者4割増の見通し

USCPA(米国公認会計士)試験を実施・運営する全米州政府会計委員会(NASBA)によると、2011年に同試験を海外から渡米して受験、もしくは海外で受験する人の数は、10年に比べ3~4割増の1万3000~1万4000人になる見通し(2011年10月末時点)だそうです。また、そういった米国外からの受験者の3分の1は日本人で、全受験者の平均合格率は50%弱ということです。ということは、単純に計算した場合、USCPA試験に合格した日本人の数が日本の公認会計士試験合格者よりも多くなってしまうのですが・・・

10位 税理士法改正案に公認会計士協会が反発

6月30日、日本税理士会連合会が「税理士法に関する改正要望書」を国税庁に提出しました。その内容は、国家試験である税理士試験に合格した者だけに、「税理士」という呼称の独占使用を認めることを求めるもの。現在は公認会計士も税理士業務を行うことができますが、このような法改正が行われた場合、それが不可能になります。そのため、公認会計士協会がこの案に反発を強めているそうです。試験制度にも関わってくる問題だけに、実りある議論によって公認会計士試験の待機合格者問題解決に向けた糸口となることを期待します。