
各会計大学院のHPを見ると、それぞれ素晴らしい理念を掲げ、その理念に沿った複数の履修モデルや独自の取り組みを提示しています。残念ながら、全ての大学でその理念が実現されているとは言いがたい現状があるようですが、その取り組みが評価されている大学院も多くあります。今回は、取り組みの効果と独自性という観点から、進学目的別に会計大学院を紹介します。
*この記事は、主に各大学院のHP、第三者機関による認証評価結果を参考にして作成しました。
公認会計士試験合格を目指す
早稲田大学大学院 会計研究科(東京都)
会計専門職大学院間の比較では、公認会計士試験における早稲田大学の成績は群を抜いており、公認会計士試験制度に対応した高度な教育内容を提供するという意味では、一定の成果を挙げていると言えます。
また、将来の活躍のフィールドを広げるために、会計分野意外に自分の得意分野を持つように指導する、「会計+1」の教育を掲げ、SAPを教室に導入したり、コンサルティング企業と連携した講座を開設したりするなどの取り組みを行っています。
北海道大学大学院 経済学研究科会計情報専攻
1学年の定員を20名とし、少人数教育を徹底しています。公認会計士試験においては、毎年10名近く(在学生、修了者の合計)の合格者を輩出しており、合格率という観点では最も優れていると言ってよいかもしれません。国立大ということで、学費が安いところがポイントです。
甲南大学大学院 ビジネス研究科会計専攻(兵庫県)
1学年30名の定員ながら、2010年度は11名の合格者を輩出しました。
個々の学生に対する専任教員による指導主任制度や、現役会計専門職による特別講師プログラム、あるいは大学院合格後すぐに個々のレベルに合わせた入学前講座など、受験生のバックアップ体制が整っています。
関西学院大学大学院 経営戦略研究科会計専門職専攻[企業会計コース](兵庫県)
2010年度は16名の合格者を輩出しました。
2008年度には25名の合格者を出すなど、合格者数では常に早稲田大学に次ぐ数字を残しています。在学生および修了生を対象として、大手資格学校の公認会計士試験講座専任講師による、論文式直前対策講座を開講しています。
公認会計士以外の会計のスペシャリストを目指す
兵庫県立大学大学院 会計研究科会計専門職専攻
国税専門官、会計検査院の調査官、官公庁・行政法人・NPOにおける企画・財務・経理のスペシャリストなど、公会計の分野を目指す学生に向けた、租税法関係」および「公会計関係」の科目が充実しています。国税専門官や県庁・市役所といった公的機関への就職者を毎年輩出していますが、修了者に占めるその割合はまだ多いとは言えず、これからに期待したいところです。
前身である神戸商科大学では、多くの公認会計士や税理士などの会計プロフェッションを輩出してきた長い歴史と伝統がある大学です。
関西学院大学大学院 経営戦略研究科会計専門職専攻[自治体会計コース](兵庫県)
地方自治体会計・行政経営専門職を養成するプログラムを設置しており、地方自治体ファイナンスや地方自治体マーケティングなど、日本ではこのコースでしか受講できない講義を行っています。現職の自治体職員とその志願者を対象とした専門職大学院としては、日本で唯一の存在です。
国際会計を学ぶ
中央大学大学院 国際会計研究科国際会計専攻(東京都)
以前は、国際会計・ファイナンスコースと、公認会計士の育成を見据えた会計専門職コースとがありましたが、2010年度よりIFRSを踏まえた人材を育成するためのカリキュラムに一新されました。
IFRSが採用されているオーストラリアから実務家教員を招聘し、英語によって授業を行う科目を設置するなど、国際的視野を持つプロフェッショナルの養成に力を入れています。
社会人の受け入れに力を入れていますが、アドミッションポリシーには、具体例として「公認会計士や税理士、企業もしくは公的分野の財務・経理担当者、経営企画部門担当者」とあります。よって、学部新卒者以外では、ある程度のキャリアを備えた学生を想定していると考えられます。